漫画と規制
2012/02/16 11:09:45
こんにちは。『由良日記』の久々に更新です。
今日は、朝日新聞の中に、あるコラム?を見つけたので、それを紹介します。2月15日の朝刊の『子供を読む』と書かれたコーナー?に『週間少年マガジン』副編集長の朴 鐘顕(ぱく ちょんひょん)さんがこんな投稿を寄せていますので、下記に全文を掲載します。
漫画「進撃の巨人」が大ヒットしています。巨人という強大な存在と人類の絶望的な戦いを描くこの作品では、たくさんの人物が命を落とします。
「死」が、この作品の一つのテーマといえるでしょう。
主人公の戦いと成長を描く少年漫画にとって、「死」は非常に重要な要素でした。「あしたのジョー」や「デビルマン」では,衝撃的な「死」が描かれました。それらの作品の読者が親の世代になるころ、「金田一少年の事件簿」がスタート。誰かの死を前提としたこの作品も、大きな支持を得ました。
人間にとって、「死」は生涯のビックイベントであり、古くから文学や演劇おいても主要なテーマであり続けました。漫画が日本社会に広く認知されるにつれ、少年漫画でも人物の死を描くことが許容されてきたのです。
しかし、十数年前から状況は少し変わって来ました。自治体の条例やメディアの自主規制が厳しくなり、夕方や朝のテレビアニメでは、死を描いた作品は放映されにくくなりました。その影響もあり、少年漫画は、死を描くことなく、いかに魅力的な内容にするか、という道を模索し始めました。
現在の少年漫画はかつてに比べ、死ぬ場面が少なくなりました。そんな状況に一石を投じた作品の一つが、冒頭の「進撃の巨人」なのです。死が多く描かれていますが、「命」を軽んじているわけではありません。死があまり登場しない他のヒット作品と同様に、命を大切に扱った傑作といえるでしょう。
最後に、死を極力描かない作品の中にも、素晴らしいものが多くあるということを付言しておきます。(2012年2月15日朝日新聞朝刊より)
この「進撃の巨人」という作品はおれもまともに読んだことはありませんから、面白いのか、面白くないのか、という事については正直解りません。
ただ、確かに近年は『子供身とって有害とされるものから子供を守る』ということを名目に、特に漫画に関して、暴力的、性的、残虐的なものを極力見せないようにという全体的な風潮は感じます。日中のアニメ放送が激減していたり、仮に放送していたとしても「サザエさん」等の「家族向け」のアニメであったりするのが、その一例のように思います。
しかし、何故漫画ばかりが規制の対象になるのでしょう?『子供身とって有害とされるもの』とは何でしょうか?上記の投稿作品とは異なりますが、かつては少年誌であっても、「北斗の拳」や「キューティ-ハニー」等性描写や、暴力的な描写、登場人物の「死」が描かれた漫画は多数ありましたし、実際にそういったものを見て、あるいは読んで育った人もたくさんいます。例えば、格闘家の角田信明さんは過去に読んだ「空手バカ一代」が現在の「空手家」という職業に影響しているという話を聞いた事があります。また「アタックNO1」の連載中はバレーボール部員が急増した、という話を聞いた事もあります。とするならば他にも漫画やアニメや、そこに描かれている登場人物に憧れて「夢」や「目標」を見つけた人もいるのではないでしょうか?そう考えればアニメや漫画が必ずしも「害になる」とは言えないはずです。
また、確かに漫画の中には過激なものもありますが、しっかりと読んでみると、奥深いテーマを持ったものや、その時代の世相や問題を反映したものもたくさんあります。俺はそれらが全て有害なものだとは思えませんし、くだらない番組を見るのなら、アニメや漫画の方がはるかに面白いと感じる事もあります。
こういった漫画の規制に賛成している人たちの中で、本当に「ちゃんと漫画を読んだ事のある人」がどれだけいるのでしょう?「毒気のないもの」を見せ続ければいいのでしょうか?また、規制や条例の根拠となるものは何でしょうか?まともに読みもしないのに、絵柄や見た目の印象だけで規制の対象になっていないでしょうか?その辺りの詳しい事情までは俺も把握はしていませんが、どういったものを「読む」か「読まないか」あるいは、どういったものを「見る」か「見ないか」は別として、それらを選択する権限ぐらいは読者、視聴者にあってもいいのではないかと思います。一方的に規制ばかりが強まっていくのは、個人的に納得できません。
今日は、朝日新聞の中に、あるコラム?を見つけたので、それを紹介します。2月15日の朝刊の『子供を読む』と書かれたコーナー?に『週間少年マガジン』副編集長の朴 鐘顕(ぱく ちょんひょん)さんがこんな投稿を寄せていますので、下記に全文を掲載します。
漫画「進撃の巨人」が大ヒットしています。巨人という強大な存在と人類の絶望的な戦いを描くこの作品では、たくさんの人物が命を落とします。
「死」が、この作品の一つのテーマといえるでしょう。
主人公の戦いと成長を描く少年漫画にとって、「死」は非常に重要な要素でした。「あしたのジョー」や「デビルマン」では,衝撃的な「死」が描かれました。それらの作品の読者が親の世代になるころ、「金田一少年の事件簿」がスタート。誰かの死を前提としたこの作品も、大きな支持を得ました。
人間にとって、「死」は生涯のビックイベントであり、古くから文学や演劇おいても主要なテーマであり続けました。漫画が日本社会に広く認知されるにつれ、少年漫画でも人物の死を描くことが許容されてきたのです。
しかし、十数年前から状況は少し変わって来ました。自治体の条例やメディアの自主規制が厳しくなり、夕方や朝のテレビアニメでは、死を描いた作品は放映されにくくなりました。その影響もあり、少年漫画は、死を描くことなく、いかに魅力的な内容にするか、という道を模索し始めました。
現在の少年漫画はかつてに比べ、死ぬ場面が少なくなりました。そんな状況に一石を投じた作品の一つが、冒頭の「進撃の巨人」なのです。死が多く描かれていますが、「命」を軽んじているわけではありません。死があまり登場しない他のヒット作品と同様に、命を大切に扱った傑作といえるでしょう。
最後に、死を極力描かない作品の中にも、素晴らしいものが多くあるということを付言しておきます。(2012年2月15日朝日新聞朝刊より)
この「進撃の巨人」という作品はおれもまともに読んだことはありませんから、面白いのか、面白くないのか、という事については正直解りません。
ただ、確かに近年は『子供身とって有害とされるものから子供を守る』ということを名目に、特に漫画に関して、暴力的、性的、残虐的なものを極力見せないようにという全体的な風潮は感じます。日中のアニメ放送が激減していたり、仮に放送していたとしても「サザエさん」等の「家族向け」のアニメであったりするのが、その一例のように思います。
しかし、何故漫画ばかりが規制の対象になるのでしょう?『子供身とって有害とされるもの』とは何でしょうか?上記の投稿作品とは異なりますが、かつては少年誌であっても、「北斗の拳」や「キューティ-ハニー」等性描写や、暴力的な描写、登場人物の「死」が描かれた漫画は多数ありましたし、実際にそういったものを見て、あるいは読んで育った人もたくさんいます。例えば、格闘家の角田信明さんは過去に読んだ「空手バカ一代」が現在の「空手家」という職業に影響しているという話を聞いた事があります。また「アタックNO1」の連載中はバレーボール部員が急増した、という話を聞いた事もあります。とするならば他にも漫画やアニメや、そこに描かれている登場人物に憧れて「夢」や「目標」を見つけた人もいるのではないでしょうか?そう考えればアニメや漫画が必ずしも「害になる」とは言えないはずです。
また、確かに漫画の中には過激なものもありますが、しっかりと読んでみると、奥深いテーマを持ったものや、その時代の世相や問題を反映したものもたくさんあります。俺はそれらが全て有害なものだとは思えませんし、くだらない番組を見るのなら、アニメや漫画の方がはるかに面白いと感じる事もあります。
こういった漫画の規制に賛成している人たちの中で、本当に「ちゃんと漫画を読んだ事のある人」がどれだけいるのでしょう?「毒気のないもの」を見せ続ければいいのでしょうか?また、規制や条例の根拠となるものは何でしょうか?まともに読みもしないのに、絵柄や見た目の印象だけで規制の対象になっていないでしょうか?その辺りの詳しい事情までは俺も把握はしていませんが、どういったものを「読む」か「読まないか」あるいは、どういったものを「見る」か「見ないか」は別として、それらを選択する権限ぐらいは読者、視聴者にあってもいいのではないかと思います。一方的に規制ばかりが強まっていくのは、個人的に納得できません。
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