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獣に逢いに

 昨日、夢枕獏さんのキマイラを一冊目から読み返しました。
 
 この『キマイラ』とはギリシャ神話に登場する怪物の名前です。
そして作品の内容はそのキマイラを体内に潜ませながら苦悩する二人の美少年と、彼らを何とか救おうとする人たちの物語です。
このように書けば何だか怪談話のように思われる人もいるかもしれません。ただそれはとんでもない間違いです。
この作品はオカルトや怪談のようなものではありません。キマイラは青春の要素を含んでおり、人間のもろさや弱さを含んだ小説であり、グロテスクであり、そして本格的な格闘小説であり、『キマイラ』の謎をめぐる物語でもあります。
 二年前、この作品の宣伝を朝日新聞で見て、何気なくこの作品を購入し、読み始めましたが、これが衝撃的な内容でした。一度本を開くと最後まで読者をひきつけて放さないような、魔力めいた圧倒的なエネルギーが作品から伝わってきました。
 特にその傾向を強く感じたのが作中の格闘場面です。ただ文章を読んでいるだけなのに眼前で繰り広げられているような錯覚を起こしかねないほど、臨場感抜群に書かれていました。初めてキマイラを読み終えたとき、頭を思いっきり鈍器で殴られたような感覚と、部屋にいながらにしてどこか、別世界に行ってしまっているような感覚に陥りました。
 もちろん後に二巻、三巻と順に買い揃えてきました。物語はまだまだ続くようです。
 俺は本を読むのが好きだ、ということは以前にも書きました。子供のころから童話、漫画、小説をたくさん読んできましたし、その中に自分が面白いと思える作品もいくつかありました。
 ただこのキマイラほど深く、面白く、切なく、ドキドキしながら読んだ本はありません。
 俺の主観ではありますが、自分にとってこれほどすばらしい作品はないし、他のどのような作家さんにもこのキマイラ以上に面白い作品は書けないんじゃないかと思われます。
 もし俺に「面白い作品はないか」と尋ねる人がいれば、間違いなくキマイラを勧めます。
 ただ、作品のほうは未だ完結しておらず、物語もどんどん長期化しています。さらに新刊発行のペースが遅いので、この作品を完結させるまで獏先生には元気でいてほしいと願っています。

 
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